人工知能(AI)を搭載し、音声で操作できるスピーカー(AIスピーカー)を国内
外のIT企業などが続々と発表している。インターネットに接続し、スピーカーに
話しかけると、音楽やニュースを流してくれるというのが一般的な機能だ。
今までになかった斬新な製品のため、「ポスト・スマートフォン(スマホ)」と
の呼び声も高い。「日本語の壁」を乗り越えられるのかも注目だ。

無料通信アプリを展開するLINE(ライン)は2017年6月15日、AIスピーカー
「WAVE(ウェーブ)」を今秋に売り出すと発表した。話しかけると好きな音楽を
流したり、興味のあるニュースや天気を教えたりするという。価格は税抜き1万
5000円。
NTTドコモもこの夏、「petoco(ペトコ)」を発売する。こちらは音楽再生スピー
カーというより、「対話」をメーンにしたデバイス。ペトコを通して、テキスト
・静止画・動画によるメッセージのやりとりやビデオチャットができる。顔認識
機能も装備。あらかじめ家族の顔を登録しておくことで、目の前に誰がいるかを
理解し、特別な操作をすることなく家族それぞれに必要なメッセージなどの情報
を提供することも可能だ。

NTTグループのAI「corevo(コレボ)」を搭載する。日本生まれのAIだけに、
自然な日本語にどこまで対応できているのかも注目だ。

AIスピーカーは米国では一足早く普及が進んでいる。2014年に米ネット通販大
手アマゾン・ドット・コムが「エコー」を発売。ネット通販と連動し、音声で検
索や注文ができるという。2016年末時点で1000万台以上を売った。米グーグルも
16年11月、「グーグル・ホーム」を米国で発売。日本では17年中に出す予定だ。

この分野でやや出遅れているのが米アップル。「HomePod(ホームポッド)」
の発売は2017年12月になる。当初は米国、英国、オーストラリアのみで、日本で
の発売は来年以降になる。音声認識機能「Siri(シリ)」を搭載。音楽配信サー
ビス「アップル・ミュージック」などから曲を再生できる。米国での価格は349ド
ルで、エコーの180ドル、グーグル・ホームの129ドルに比べ、かなり割高。どこ
まで市場を開拓できるか、ブランド力が試される。